やっと梅雨入りした沖縄です。
私達、職人は天気予報を気にしながら洗い張りのタイミングを伺っています。
先日、昨年度の事業報告と今年度の事業目標を全組合員で確認する総会が行われました。普段はそれぞれ自宅で仕事をしている組合員が一堂に会する大事な機会です。
組合には沢山の事業を円滑に運営するために複数のチームがあります。
私達組合員は首里織を多くの方に周知してもらいその魅力をお伝えするにはどうすれば良いのか?どんなことが出来るか?を常に考えています。
意見を出し合い考えるうちにヒントを見つけました。伝統工芸士が毎年行っている『児童生徒へ向けての伝統工芸を学ぶ授業』です。
年に一度那覇市内の小学校の一校一学年を対象に伝統工芸士が織機とともに学校へ出向きクラス全員が一台の機に代わるがわる座り少しずつ織り続けて皆で一枚の布を織るという体験授業。出来上がった布は『クラスの布』として各教室に飾られます。皆んなで一つの物を作る=織る
伝統工芸士の事業が元になってブライダルに関する事業構想が生まれました。
『絆のタペストリー』は結婚式や披露宴の会場に織機を持ち込んで出席者に少しずつ織ってもらい一枚の布にするというゲスト参加型の機織りイベント(演出)です。昨年度、実際にご結婚されるご夫妻がモニターを引き受けてくださってPR動画を撮影することが出来ました。1番最初に緯糸を入れてくださったのが新郎新婦のご両親でした。それから他のご家族やご友人沢山の方々が織り繋いで…締めくくりは新郎新婦のご両人でした。完成した布は披露宴のクライマックスで機から外され新郎新婦によりお披露目されました。世界にただ一つしかない織り布です。後日、私達職人が洗い張り、房の仕上げをしてタペストリーの形にして新居へ配送しました。
とても素敵な披露宴になったということは言うまでもありません。(新郎新婦のお人柄^ ^)
他にも『感謝の織り布』という額装ギフトやブライダルオリジナルデザインの『幸せのコースター』という商品開発を行いました。
経産省の令和6年度伝統的工芸品産業支援補助金 意匠開発事業の力をお借りすることでブライダル企画商品の3点を形にして、販促ツールとしての動画やチラシが出来上がり長らく温めてきた構想がやっと実になりました。近々、組合公式SNSでお知らせすることになります。乞うご期待。
山里千佳子