2021/11月コラム

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てぃとぅてぃ

乙女の手

All of made by hand

はいさい、ぐすーよーちゅううがなびら。

月一コラムを半年ほど担当させて頂きます、首里織の職人です。

ゆたさるぐとぅ、うにげーさびら。

「首里城は知ってるけど、首里織は知らない」「地元だけど現物も見たことがない」という地元、沖縄の方や学生さんなどに対しての語りかけ、という意図で平易な文章を心がけています。

他地域の皆様は写真と合わせてイメージを膨らませて頂けたら、幸いです。

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手織りの良さってなんだろう、伝えるにはと。。この数年考えています。持って触れた時の感触、数年経過した手織りの柔らかさ、纏った時の心が落ち着く感じ。

私がコラムを書くにあたって、色々な書物を読みました。一般に販売されてない、首里まちの記録書などからも温かな首里の情景が読み取れます。偶然ですが、手に取る本、全てが沖縄の方によって書かれた本でした。

私の叔父、外間正幸が著した「琉球の工芸」

紅型と織のタイトルには「乙女の手」と記されています。

あとがきには「沖縄人が沖縄のことを書くからには間違いをおこさぬよう、現地調査にあたってはつとめて慎重を期したつもりである」という文章が残されています。「1966年、琉球にて」とも記されていて、復帰前、アメリカ世の沖縄から、日本に向けて琉球の工芸を真摯に伝えようとしていたのでしょう。

私がこどもの時はすでに琉球博物館学芸員も退官されていて、首里城の隣にある叔父の家に行事事に尋ねる度に、優しく接して頂いた記憶があります。

私は作り手として、首里織や沖縄染織の魅力を発信しています。いつか手にした織布から首里や沖縄のおおらかで緻密な、健康的な美を感じていただけたら幸いです。

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あーととぅ、うーととぅ、ぐぶりぃさびら

<文章責任・東恩納朋子>

2021年11月21日