2022/2月コラム

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~ 仕事 仕事ぬどぅ 習する
     シグゥトゥ シグトゥヌドゥ ナラースル 
         仕事は 仕事から学ぶ ~

先日、知人と昨年開催された首里織展の感想を聞きつつ「首里絣」の話になりました。
知人曰く、「首里織で、絣が織られているとは知らなかった・・・
聞いたことがなかった・・・ 絣といえば・・・」と他産地の名前を挙げてくれました。
今まで触れたことも、目にしたこともないので印象になかったようです。
首里織の先輩も似たような経験をされたとのこと。
首里織を知っていて、首里織に関心がある方にも「首里絣 しゅりかすり」の認知度が
低いことに驚きました。


首里王朝時代、衣服を身分に応じ着用する「衣服定」が制定され、身分によって
着用できる色やデザイン等、かなり細かく規定されていたようです。
絣は、一般に広く愛用されていた織物ですが、絣も例外ではなく
一般庶民は -細い紺色の絣柄- と制限されていました。
限られた色しか着用することができなかったのですね・・・
ですが、細かい規定の中でも許される範囲で、工夫と、発想と、遊び心でおしゃれを
楽しみ、素晴らしい絣文化を生み出しました。
一方、黄色や赤、緑、藍色等、多彩な色使いでひときわ鮮やかに、華やかに織りあげる 
色絣 いろかすり を「首里絣 しゅりかすり」と呼び王家、士族のみに
着用が許されました。
これらは「首里柄 しゅりがら」または「御殿柄 うどぅんがら」と呼ばれ、
格調高く美しい絣で、代々受け継がれ、誇りをもって織られてきたのです。

絣の柄の中でも「手縞 てぃじま」と呼ばれる柄は、貴族のみが纏うことのできる
あこがれの織物で、かつての嫁入り衣装でした。
あこがれの織物・・・ 一度は纏ってみたい気分になりませんか?

残念ながら、私も「首里絣」を織ったことがありません。首里絣は工程が多く通常より
はるかに時間がかります。
そして、何より熟練したかなり高い技術が必要です。
一つの作品に長期にわたり時間を費やすことで、他の仕事に影響が出ることもあります。
これらの点が、生産量につながらない理由でしょうか。
ですが、生産量をあげなければ多くの方に触れていただく機会も限られてきます。
織り手として、とてもとてもジレンマを感じるところです。

この素晴らしい技術、素晴らしい布は王朝時代より現代へ受け継がれ、
織り継がれてきました。是非多くの方に、見て、触れて、知ってもらいたい気持ちです。
多くの方に知ってもらう・・・その為には発信力、アピール力も課題だと思います。
そして、技術を高める努力をし、臆することなく新たなことにチャレンジしていく事・・・
まずは、出来ることからでいいと思います。

「首里絣 しゅりかすり」をもっと知ってもらえるように。
これからも織り継がれていくために。
その為に「出来る事」を考え、行動していけたらと思います。

文章 上地ゆき枝

2022年02月15日