~ 花 紅 柳 緑 カコウ リュウリョク 春の美しい景色・色とりどりの自然の美しさ~ 4月に入り二十四節気でいえば「穀雨」~こくう~ 恵の雨が降り種まきの時期・・・ 沖縄でいえば、「うりずん」の季節です。 目に映る景色も、眩いばかりの色彩にあふれ、様々なコントラストを感じられるように なってきました。 ここ日本には様々な伝統色があります。その数なんと、482色。 同じ赤でも、「紅葉色~もみじ色~」 「海老色~えびいろ~」 等・・・98色あまり 青色だと、「青藍~せいらん~」 「紺青色~こんじょういろ」等・・・69色 同じ色でも、様々な呼び方があります。 また、(春)~桜色・山吹色~(夏)~若竹色・柿土若~(秋)~茜色~(冬)~白梅色~ のように、季節を「色」によって表現するのも日本人ならではで、ないでしょうか。 また、これらの呼び名が何とも美しいのです。 「色」は、染織に携わる私たちに、とても身近で密接なものであり、首里織もカラフルで 色彩豊かな多くの色が使用されています。 現代は化学染料も使用されていますが、青色なら琉球藍、黄色なら福木、赤色なら紅花等、 さまざまな植物が使われています。 ですが、「色」とはとても不思議なものです。 そもそも「色」は目で見ているではなく脳で感じるものであり、個人の「感性」 で見えているそうです。 そして、「色」は美しさだけではなく、意味を持ち、力を持っています。 例えば、赤だと精神を高める作用。 青は精神を落ち着かせる作用。面白い事に、赤と青の混合色である紫は、赤と青の どちらでもない精神のバランスをとる作用があるとのこと。 思った以上に私たちの身体や心に影響を与えているようです。 育児や保育の現場では、「色育」として教育に取り入れている所もあります。 はるか遠い昔・・・古事記時代にさかのぼると日本人が認識していた色は 「赤・黒・青・白」の4色のみでした。 私たちが今見ている色は、古より生活の中で育んできた感性、感覚、イメージ なのではないでしょうか。そして、何より自然を愛する心なのだと思います。 だからでしょうか・・・ 自然の恵みで染められた色は、どれもとても暖かいのです。 文章:上地ゆき枝
2022/4月コラム
2022年04月15日