2022/7月コラム

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はじめまして、大城和美と申します。

那覇伝統織物事業協同組合に所属しています。

主に自宅で、または時々、首里染織館suikaraで機織りをしています。

今月からこのコーナーを担当させていただく事となりました。どうぞよろしくお願いします。

 

最近「伝える・伝わる」ということを、実感する出来事がありました。

その時の気持ちを綴ってみたいのですが、私の文章力で伝えきれるかどうか・・・まさに。

きっかけは、suikaraを訪れて下さったお客さまとの会話です。

首里染織館suikaraの3階には、組合事務所と検査室、それから作業室と染場、洗い張りができるピロティがあります。

作業室には、織り機が十数台整列していて、講習生が学んでいます。

その一角に、機織り体験をご希望されるお客さまの為の機もあります。

廊下の壁には、組合員の織った布で作ったファブリックボードが飾られ、技法と自己紹介文が添えられています。

こうした様子を見学していただき、私にはお客さまとお話をする機会が増えました。

お客さまからのご質問で、私の全くわからない事や曖昧な事についてはその旨をお伝えしますが、申し訳なさが残ります。

後から先輩に教わったり、首里織の歴史や技法についての本をめくってみたり、と、私の行動も少し変化してきました。

さて本をめくり、首里織を「格調高い織物」と表現した一文を読んだ時に、これまでとは違い心に響いたのです。

そして、こんなにも尊い織物を、現在に至るまで、たくさんの先輩方の手技で継承してきたのだと、感謝の気持ちを抱きました。

これまで私は、いくつかの技法を教わり、用いて、描いたデザインが形を成していく事がただただ面白く、楽しかったのだと思います。

それが、首里織の魅力を伝えたいと思う今、先の一文がやっと私の腑に落ちて、私に伝わったのだと思ったのでした。

「格調高い」とは、「物事に伝統や品位が感じられる様」

辞書にはこのように載っています。

先輩方の織った布には、風土や歴史も織りこまれているようにも感じます。

私も丁寧に経糸を並べ、そこに丁寧に緯糸を重ねていこう、と思います。

初めての投稿は、気負ってしまったというか、勝手に決意表明しちゃったというか、少々気恥しいですね。

読んで下さりありがとうございました。どうぞ皆さまお身体ご自愛下さい。

最後にご案内をさせて下さい。

私共の組合では、語呂合わせで、八月七日(首里花織の日)、八月九日(首里花倉織の日)として、組合員がインスタグラム等で、花織や花倉織にまつわる投稿をします。

どうぞ検索してみて下さいね。

文章:大城和美

2022年07月21日