【首里織コーディネート lesson vol.2 ~ ふじひろのお見立て 春の装い編~ 】
「首里織の着物・帯のコーディネート」を首里染織館suikaraの呉服担当をされています”ふじひろさん”のお見立てを、ご紹介させていただきます。春のお花見シーズンや入学式の装いの参考になればと思います。
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何人かの方から首里織の着物が家にあるけれど どういう時に何を合わせて着れば良いかわからないといったお話しを伺います。
4月は入学式がありましたね。入学式のお付き添いでお召しになった方もいらっしゃると思います。
昔は、お母様も正装で’70年代頃までは紋付き黒羽織を着用していましたよね。時代は流れてお付き添いの父兄の方々の服装もかなり自由になっているようです。却って改まり過ぎると浮いた存在になりそうなので着物で改まった感じを出しつつソフトカジュアルな装いでご参列されれもいいと思います。
今回は、首里道屯織のおとなしめな薄グレーの着物をベースにしてコーディネートしました。
<①着物:薄グレーの首里道屯織/帯:ベージュ色の首里道屯織>
グラデーションがきれいな道屯織の帯で落ち着きのある帯〆と着物の色味を合わせたコ-ディネ-トです。
<②着物:薄グレーの首里道屯織/帯:ベージュ色の首里道屯織>
同じ組合せの着物と帯でメリハリをつけてハッキリしたコ-ディネ-トです。
帯〆を薄い色にすると明るく少し改まった組合せになります。
<③着物:薄グレーの首里道屯織/帯:薄蘇芳色の首里花織>
同じ着物に華やかな薄蘇芳色の花織の帯です。薄荷色の帯〆で改まった感じを出しました。
<④着物:薄グレーの首里道屯織/帯:薄蘇芳色の首里花織>
同じ着物と帯の組合せです。
帯の柄の色から春を意識したコ-ディネ-トにしてみました。
<⑤着物:薄グレーの首里道屯織/帯:薄蘇芳色の首里花織>
同じ帯ですが前柄が違う雰囲気なので前柄の色で若草をイメージしたコ-ディネ-トにしてみました。帯地の薄蘇芳色が映えますね。
よく目にするのですが、地味に控えめにしたいからと、着物や帯の色があまり濃くないのに小物を濃く渋い色にするのは、くだけた雰囲気が出て、より街着のようになります。着目のお席を考えて組み合わせましょう。
同じ組合せでも小物を変えると雰囲気はずいぶん違います。
自分らしい組合せで装いをお楽しみください。
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〈ふじひろプロフィール〉
東京 出身
1980 年代
新宿某百貨店入社 呉服部 配属
本店 和装小物
. 特選呉服 の他
新潟 京都 相模原(神奈川) 立川 など赴任
マネージャー
バイヤー
フロア担当長を 経験
2019 同社 早期退社
沖縄 移住
2022 首里染織館
suikara 入社
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季節や時代を意識してコーディネートすることで、着物を着ることに苦手意識を持っている方や「着物を着ると浮いてしまうかも!」と心配な方でも、気負わず和装を楽しむことができると感じました。
また、素材や色使いなどの全体のバランスを考えて小物を合わせることで、着物と帯だけでは出せなかった面白い表情や印象が引き出せるのも興味深いです。帯の色を変えただけでも、着物に光沢感が出たり重厚感が出たりして印象が変わりますし「この色は合わないかも」と思っても合わせてみると絶妙だったりで、今回も”ふじひろマジック”に圧巻の連続でした。
私自身も着物を着る機会を増やして、和装を楽しみながら作品作りにも取り組んでいけたらと思います。
文:具志堅 奈美乃