2023/07コラム

-----

【首里絣】

こんにちは。今月から職人コラムを担当させていただくことになりました。佐久原 祥と申します。拙い文章ではありますが、私なりに制作の中で感じたことをお伝えしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

皆様は首里織に「絣の織物(首里絣)」があることをご存知でしょうか?首里に住む士族の女性たちが代々伝え、王家や士族にしか着用が許されない特別な織物とされていました。

 

首里絣の特徴は大きく2つに分けて「手結い」と「手括り」にあると思います。

手結いと呼ばれる技法の特徴は、織りながら緯絣の柄を生み出す点にあります。一段、一段引きずらしながら、柄を織り出します。そのため、耳に絣糸が出るという特徴もあります。

また、板締めや機締め、捺染など絣の染め方は様々ですが、首里織では基本的に経糸と緯糸どちらも手括りで絣を作ります。さらに、「真芯(マシン)」など手括りでも効率よく進められるような技法も伝わっています。

手結いと手括りによって、美しい絣足と柔らかなにじみが調和し、気品ある首里絣が織り上げられてきました。

 

現在、首里織組合では絣の勉強会を定期的に開催しています。先人たちの技術を途切れさせずに、次世代へ繋ぐこと。そして、新しい伝統を築き上げてゆくことを目指し、将来的には首里絣を取り入れた製品を増やしていきたいと考えています。

もし首里絣を目にする機会がありましたら、手結いや手括りの技法を思い起こしながら、ぜひご覧いただければ幸いです。

 

(文・佐久原 祥)

2023年07月19日