2025年、令和7年、明けましておめでとうございます。今月からコラムを担当することになりました山里です。よろしくお願いします。
私は2011年から二年間、首里織の後継者育成事業の講習生となり技術を学びました。首里織の仕事に携わってやっと10年が過ぎたかなというところです。
元々、布が好きで小さい頃からお人形に自作の服を着せたり、祖母にお箸を棒針代わりにして編み物を教わったりして過ごしていました。何もないところから何かの形にするのが面白くて楽しくていつも手を動かしていました。
お人形の服と言っても、四角い布裂をぐるっと巻きつけ細く切って紐状にしたもので胴部分を縛ったり、布の真ん中に穴を開け頭をくぐらせポンチョのようにしたり、小さな穴を二つ開け両腕を通してジレのようにして着せたり…原始的で簡単なものでした。それでも一着、二着ではなく色や柄を変えた沢山のコレクションが常に幼稚園バッグの中にリカちゃんと共に入っていました。ファッションの方に興味があったのかもしれません。
学生の頃は少ないお小遣いで布や毛糸を買ってきて自分で着る物を作るようになりました。中学三年で運動部(バレー部)を引退してからは、暇さえあれば家でも学校でも編み針を動かしているかなりのインドア派になりました。手編みは何処にでも持ち運んで少しの隙間時間に出来るのでかなりハマっていました。
大学で被服学を学ぶことになり、益々興味は服や材料に向きました。高校を卒業する頃は服飾の専門学校へ進学したいと思っていたのですが、直前で急に自信が無くなり、好きなことを仕事にして仕事にしたことで嫌いになるのではないかという理由をこじつけ進路変更したのです。でも結局、大学へ進学しても第一希望の専攻は叶わず第二希望の家政学を専攻することになったのです……。
家政学を学んだことで後々役に立つことは沢山あり良かったと思っています。
私が首里織と出会い一生の仕事にしようと決めるのはそこから二十年も後のことになります。
これから半年の間に組合が伝統工芸を継承していくために取り組んでいる様々な勉強会や事業、首里織を広く知ってもらうために企画したイベントやプロジェクトについてお話ししたいと思います。
よろしくお願いします。
山里千佳子