当組合初代理事長 宮平初子先生が3月7日お亡くなりになりました。
戦後、沖縄の織物復興に力をそそぎ伝統的技術継承の重要性を感じ、当組合設立に奔走されました。
組合の拠点地「首里織工芸館(現桃原在)」として昭和60年に完成した時はみんなでお祝い致しました。
技術の継承、そして組合員の経済的自立を目的に作られた組合は当初取引先もなく、先生が取引している
問屋へお願いして組合員の商品を買取ってもらうなど組合運営も大変な時期でした。
多くの技法がある首里の織物で特に幻の織物と言われた花倉織を昭和11年に技術を身につけ、
その後昭和49年「首里の織物保存会」として宮平初子、大城志津子により沖縄県指定無形文化財に認定され昭和58年に首里花倉織として商標登録しました。
さらに同年4月当組合より伝統的工芸品に他の4技法も共に認定されました。
また先生は、手花織技法に半綜絖を考案しその後手花帯地は組合のヒット商品となりました。
平成25年首里織再現事業で日本民藝館への調査がスムーズに出来たのも、宮平先生と民藝館との関わりの深さを感じました。
昭和51年の組合設立から46年目となる今年4月に現在の組合から首里当蔵の新しい活動拠点地「首里染織館suikara」へ移転する事になりました。
宮平先生を始めとする多くの先達が築いた基盤を、首里城を仰ぐこの地で、次世代へと継承し、首里織の発展に努めたいと思います。
時代は常に変化し、伝統工芸の継承は全国的に厳しくなっている今、組合は新しい時代への第1歩を歩み初めました。
素晴らしい先達がいる事を誇りに思い、伝統工芸産業の発展に努力してまいります。
合掌
第3代 理事長 安座間 美佐子