残暑お見舞い申し上げます。
この頃の沖縄の天気は、日中の陽射しは強いものの、時折気持ちいい風を感じます。
全国の天気予報では、熱中症に関する注意を呼びかけていて、厳しい暑さを思い知ります。
一方、大雨警報が出されている地域もあり、災害が起こらないことを願うばかりです。
さて、八月も半ばを過ぎました。
熱戦続きの全国高校野球選手権も、ちょうどベスト8が出揃ったところです。
高校野球にしてもそうですが、八月は「郷愁」を感じる要素が多い、と思うのです。
お盆、や、帰省、といったワードも、八月の郷愁感を高めているのかもしれません。
私が懐かしむふるさとは、八重山です。
八重山の石垣島は私の両親の生まれ育った島ですが、私自身は小学校五年生~六年生にかけての2年間を過ごしました。
その前は浦添市、その後は那覇市、と暮らす地域は変われど、家の中には八重山を感じる物がありました。
両親のたわいない会話にしても、例えば、「八重山の○○○○が一番おいしい」と、ちょっとしたふるさと自慢がありました。
そのような環境でしたので、私の故郷、八重山への愛着が育ったのだと思います。
八月はまた、戦争の犠牲となった方々に深い哀悼の意を捧げ、恒久平和を祈る式典が行われます。
両親とも戦争を経験した世代ですが、着の身着のまま逃げ惑った記憶や、マラリアの恐怖、戦争が終わっても生活は苦しかったこと、学校へ行けるようになって青空教室で勉強したこと…、そういった話を、身近な人の名前や地名まじりに話してくれたことを覚えています。
暮らしの風景が戦争によって壊される、どれだけ辛く悔しいことだったでしょう。
今の世界でも同様に苦しみ嘆いている方々がいらっしゃいます。
一日も早く戦争が終わり、復興への希望に満ちること、誰にとってもふるさとの風景が、悲惨な戦争などに奪われませんように祈ります。
読んで下さりありがとうございました。どうぞ皆さまお身体ご自愛下さい。
今月のコラムに添える写真は、実家の玄関にかけられている「あんがま」のお面、ユーモラスな笑顔です。
文章:大城和美